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はーい!!みんなタンバリンは持参で!!

って、先生が言ったもんだからタンバリン屋さんに買いに行くことにした。

お母さんに「タンバリンを買うからお金をちょうだい!!」
って言ったらお母さんが、
「タンバリンっていくらすんの?」だって。

この時初めてタンバリンって何か知らないことに気がついたんだ。

「ん~と、80円位かなぁ~」
って言ったんだけど、確信はなかったんだ。

だって80円あれば税込み20円の物が4コ買えるんだから
相当なお金になる気がしたんだ。「相当なお金」で買えないものなんて無いって思ったわけ。

それでお母さんから80円もらってMYバイセクルに乗って商店街に行ったんだ。

商店街に行くには坂を2つ越えて、橋を渡ればいいんだけど、
この坂がすこぶる疲れる。

だから、MYバイセクルをハーレーに見立ててブルブルいわせて
かっ飛ばしたんだ。
そのスピードといったらなかったよ!!
途中でクラスの奴らが僕になにやら言ったみたいだったけど、
ハーレーのエンジン音はバリバリいってたから
クラスの奴らの口は、ただパクパクしているだけってわけさ。

おっと、スピードに気をつけないと橋の上から落ちちまうぜ!

でも落ちたってかまいやしない、だって今度はハーレーをジェットスキーにすればすむんだから。

本屋さんに、薬局屋さん、喫茶店、お菓子屋さん、クリーニング屋さん、雑貨屋さん、
金物屋さん、電気屋さん、焼き鳥屋さん、お米屋さん、宿屋さん、時計屋さん、
洋服屋さん、靴屋さん、ハンバーガー屋さん、床屋さん、酒屋さん、八百屋さん、
車屋さん、自転車屋さん、宝石屋さん、タバコ屋さん、スポーツ屋さん、
新聞屋さん、ランジェリー屋さんを通りすぎた。

そうそう、この前お母さんと買い物に行ったときにこのランジェリー屋さんに行ったんだ。
お母さんがランジェリーを買ってたんだけど、僕のを買ってくれなかったんだ。
だから、「僕のランジェリーも買ってよ!!」って言ったんだけど、
「ランジェリーっていうのは女性用の物なのよ。」って。

まだまだ知らないことがいっぱいだって気がしたよ。

店員さんに「男物のランジェリーは無いの?」って聞いたら
「そんなのがあったら素敵かもねぇ。」
って言ったんだ。
その店員さんは本当にステキだと思ってるらしかった。

だから僕は将来、男物のランジェリーを作って一山当てることにしたんだ。
そうしたら男の人もランジェリーが買えるし、その店員さんも喜ぶのは目に見えてる。
そしたら僕は大金持ちってわけ!!
イカしてるだろ?!

タンバリン屋さんは町のはずれにようやく見つけた。

ドアを開けるとだいたいのお店は鈴みたいな物がチリンチリーン♪って鳴るんだけど、
タンバリン屋さんは、さすがタンバリン屋さん!!
ドアを開けると、

ドンドン!!ジャラジャラ!!ドンジャラドン!!

ってくるわけ!どうやら店中のタンバリンが踊っているみたいなんだ。

店中タンバリンで、息ができないんじゃないかと思ったよ。

初めて見るタンバリンは、どこか楽しげで、おもいっきり投げたらどこまでも飛んで行きそうなかっこいいものだったんだ。

でも、タンバリン屋さんのマスターは店中のタンバリンとは正反対で、しょんぼりしていたんだ。
「どうしたおやじ?」って聞くと、
どうやら最近はめっぽうカスタネットで、タンバリンが売れないらしいんだ。

マスターの長いひげの先っぽまで曲がっているんだぜ?
何とかしてやるのが僕ってわけ。

だから
「じゃあ、タンバリンを売るのを手伝う代わりに、この店で一番イカすタンバリンを僕にくれない?」って、だめもとで言ってみたら、マスターのOKサイン!!

だめもとで言ったのは本当なんだけど、なんのアイデアも無く言ったわけじゃあないんだ。
実は僕、さっきタンバリンの音を聞いて、その音色のとりこになっていたんだ。

こんなにいい音なのに何でみんなは買わないのか?

答えは簡単!!みんな僕と同じでタンバリンを知らないし、音色なんて想像すらつかないだけなんだってのがすぐにわかったんだ。
この音色を知ったらみんな楽しくってしょうがなくなって、タンバリンが飛ぶように売れるに違いない!!

マスターは奥から黒いタンバリンを持って来たんだ。
それは少し揺らすと音楽がモレテモレテ。
もっと揺らすと、体が糸で操られて踊りだす!!
手で叩いた日には、太陽までもがギラギラジャラジャラしそうなタンバリンだった。

マスターはそっと僕にそのタンバリンを手渡すと、僕は試しに叩いてみた。

ジャラジャラドン!!ジャラリーン!!

ってものすごい音が鳴って、店中のタンバリンもつられてジャラジャラドン!!
でも、音色は聞いたことも無いイカした音で、楽しくって、聞いた後はしばらくドキドキしてるんだ。興奮は圧倒的な熱さで沸騰して、疲れなんて感じさせない!!
心をも揺らすタンバリン!!

さっそく、それをMYバイセクルにくくりつけると、
ニュートラルから一速、二速、三速、四速、五速まで三秒であげてフルスピード!!
そのスピードで町中をジャラジャラドン!!ジャラリーン!!

リズムにのったらもう

ジャラジャラ!!ドンジャラ!!ジャラドン!!ジャラジャラ!!ドンドンジャラリーン!!

って町中大盛り上がり!パレードパレード寿司食いねぇーー!!
ワッショイ!ワッショイ!祭りだ!祭りだ!寿司食いねぇーー!!

ってなったもんだから、パレードごとタンバリン屋さんにぶち込んだら、
売れるわ、売れるわ。タンバリンが!!

みんな買ってから一秒も経たないうちにジャラジャラドン!!ッてするもんだから、
店中、町中、ドッカンドッカン!!

ルールなんてお構いなし。

あそこでドッカンジャラドン!!
こっちでドッカンジャラジャラ!!

お店のタンバリンはもう完売御礼。


今、僕は店の前で黒いタンバリンをジャラジャラドン!しているわけなんだけど、
タンバリン屋のマスターは、
売るタンバリンの無いタンバリン屋のマスターになったわけ。

だから、店に入らなくてもマスターがまた問題をかかえてしまって、
頭を抱えているのは見に行かなくても見えてるし、

もう次のアイデアだってでてるんだ!!
by shimano.k | 2005-11-06 19:11 | 広がれ妄想
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